火星と天王星を見る 2020/10/01~02
昨夜、中秋の名月を堪能した後、望遠鏡は自然と火星を目指したのでした。
火星はあまり変化がないから面白くないなどと散々言ってきましたが、今は夜中の空で一番明るい星になっています。街灯に集まる蛾のごとく赤ちょうちんに吸い寄せられる呑兵衛のごとく、望遠鏡は赤く怪しく光る火星に吸い寄せられてしまうのでした。
2.5×パワーメイトでの拡大率が微妙なのでいくら接近中とはいえ火星は火星。こじんまりとしか写りません。せっかくのパワーメイトの収差の少ない光学系を生かす手をあれこれ策を案じていたらひらめきました。
2.5×バローで拡大した像を2.5×パワーメイトで拡大してセンサーに投影すればかなり大きくなるのではと。
共通:D=127mm、F=1500mm、ASI224MC 6000フレームを60%スタック、RegiStax 6でWavelet処理
右:10月01日23時31分 SharpCap 3.2、3ms、Gain=200 2.5×パワーメイト、ADC
左:10月02日01時03分 SharpCap 3.2、5ms、Gain=240 2.5×パワーメイト+2.5×バロー
でかい!、デカくて見やすい。効果てきめん、いつもの木星よりも大きく写っています。サイズ的には直径が2倍になったようです。大きくなってもそんなにボケたわけでもなさそうです。それは2.5×パワーメイトだけの拡大ではセンサーの解像度を生かし切れていなかったためと思われます。火星は単位面積当たりが明るい星なのでこれだけ拡大しても短い露出と低いGain値で撮影できるのも効いています。
大きくなった方の火星面で地形を照らし合わせると、赤道付近の右欠け際に白い靄のかかった3つの火山、北半球の右手の明るいポイントはオリンポス火山です。地球外の火山を初めて見ました。CMOSカメラ、パワーメイト、スバラシイ!
これだけ見えてくると現金なもので火星も面白くなってきました。
ちょっと火星にはまってしまって時刻は午前3時を過ぎてしまいました。この夜の上がりは天王星
10月02日03時53分 D=127mm、F=1500mm、2.5×パワーメイト、ADC、ASI224MC
SharpCap 3.2、15ms、Gain=400 3000フレームを70%スタック、RegiStax 6でWavelet処理
パワーメイトで撮影してみたところきれいな水色です。8月にバローで写したときは緑色でした。夏の湿ってよどんだ空気が秋の澄んだ乾いた空気に変わって、収差のないパワーメイトの効果が加わり本来の色が写ったものと思われます。スバラシイ。
ちょっと露出を変えて天王星の衛星撮影を試みてみましたが今回は失敗しました。
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