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2021年5月 7日 (金)

Neptune-C II+近赤外でM104をみる

 2日続けて未明は曇りで木星観測は連休に入りました。
それでも習慣性木星撮影症候群のため3時半ころ夢遊病者のようにムクッと起きだして空を確認します。木星が見えていないためすぐにスイッチが切れて布団に戻っているようです。

連休中にNeptune-C IIで電視観望しながら保存していた系外星雲を画像処理してみました。
この時は、最近流行っている近赤外で系外銀河の電視観望を試してみました。フィルターは軍資金が尽きていたため安いSVBONY SV183 IRフィルターを購入して使用しています。

Neptune-C IIのセンサー感度曲線とSV183 IRフィルター透過曲線を重ねたのが下の図。
(Neptune-C IIはシュミット、SV183 IRはSVBONYのページからパクッって勝手に合成しています。すみません。)

Sv183-ir
グレー部分がフィルターによりカットされる波長域で夜空を明るく照らしている街灯、照明の波長の多くはこれでカットされているようです。
670nmあたりから光を透過しますが人間の目でも感度があり、フィルターをかざして風景を見てみると暗い赤色の世界となります。
Neptune-C IIのセンサーは800~850nmあたりに感度のピークがあるのでフィルターにより短波長側がカットされてもまだ全体の半分以上の光量があります。そのうえで背景の街明かりの影響が少なくなっているのでS/N比が向上するのでしょう。

おとめ座M104
M104_20210503_2036
5月03日20時36分 D=60mm、F=355mm、Neptune-C II+SV183 IR
SharpCap 4.0、16s、Gain=350、38フレームライブスタック、トリミング

16秒の露出をかけ38フレームをライブスタックして総露出時間は10分ほど。いい塩梅に明るさを調整しあぶりだしを行って保存しました。SharpCapのRGBは自動調整です。
近赤外なので色味は無くなりほぼ白黒です。連続光で淡く広がる天体にはかなり有効なようです。
肉眼で見ても白黒なので違和感ありません。しかも街明かりで淡い部分は埋もれてそこにあるかどうかくらいしか見えないものが経緯台に載せた6cmの望遠鏡でこんなにクッキリ、暗黒帯まで写るなんて時代は変わったものです。

しし座のM65、66
M6566_20210503_2115
5月03日21時15分 D=60mm、F=355mm、Neptune-C II+SV183 IR
SharpCap 4.0、8s、Gain=400、84フレームライブスタック、トリミング、40%縮小

右下がM65、左上がM66で渦巻の腕が見えます。広がった天体は惑星とは違って気流の影響はほとんど感じないのでお気楽に見れておもしろいです。
かみのけ座からおとめ座境界あたりに密集する系外銀河を室内からベランダの望遠鏡を制御して自動導入し電視観望で3分程度ライブスタックして次々と眺めていくのは爽快です。

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