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2021年7月 5日 (月)

De-rotation効果を見る

現在7連敗中でもうしばらく連敗が続きそうです。仕方ありません。週末は自転車走も連敗したのでかなりフツフツとたぎるものが溜まってきました。

さてこのヒマな期間を利用して木星師匠御用達のソフトWinJUPOSのDe-rotation機能(日本語版では「画像の回転解除」 )を試してみました。
De-rotationはLRGB合成で撮影する場合に必須の技ですがカラーカメラだけで撮影している僕の場合は必須というわけではありません。

自転の速い木星では1回の撮影にかけられる時間は1分ほどで撮影可能なフレーム数は限られてしまいます。長時間撮影すればそれだけ良いイメージのフレームが得られ解像が良くなります。そのために1分以内の撮影から良いフレームをスタックし、それを数回繰り返して出来上がった複数のスタック画像を1つに重ね合わせれば1回だけの撮影画像よりも多くの良いイメージフレームが使われて高解像が得られるという手法です。
その重ね合わせる時にそれぞれの画像の撮影時刻の自転による模様の位置を合わせて重ねてくれるのがDe-rotation機能です。


今回は6月28日未明の3:39~3:43の間に薄雲を通して撮影した5ファイルのデータが消されずに残っていたのでそれを使用しました。
D=127mm、F=1500mm、2.5×バロー、ADC、Neptune-C II 、SharpCap 4.0、15ms、Gain=280、
3000フレームを50%スタック、RegiStax 6でWavelet処理
20210705
左は5回撮影したちょうど真ん中の1回をスタックしたもの。右は5回スタックしDe-rotationしたもの。
Wavelet処理は同じ強さをかけています。しかし1回物はノイズが多くDe-rotationしたものと同じくらいのなめらかさにするためDenoiseをかけています。ちなみにDe-rotationしたものはDenoise無し。

1回物は1500フレーム、5回分をDe-rotationしたものは7500フレームを使用したことになります。
結果は、1回物と比べ撮影、スタックにかける手間が5倍、De-rotationするための画像測定の手間が必要な割には劇的な効果が出るわけではないようです。5インチの口径でカラーだけのDe-rotationではその効果を発揮するには不十分なのでしょう。

それでもDe-rotationした場合Denoise無しでもノイズが少なくDenoiseをかけることによるボヤケも発生しないので1回物よりも少しはクッキリしているようです。気流が非常に良いときにはより効果が現れそうな気がします。雲に邪魔されずじっくり撮影できる夜は試してみたいと思います。

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