アリスタルコス付近拡大 2021/08/20
動きの遅い雲に木星が隠されたとき、南西方向の月が雲から抜け出していたので箸休めに覗いてみました。
木星拡大撮影設定のまま望遠鏡を向けるとアリスタルコスクレーター内部が見えていました。雲がすぐそばまで接近していたのでピントもそのままで撮影してみました。
8月20日23時33分 D=127mm、F=1500mm、2.5×バロー、ADC、Neptune-C II 、SharpCap 4.0、5ms、Gain=300、1000フレームを50%スタック、RegiStax 6でWavelet処理 70%縮小、トリミング
アリスタルコス(40km)はクレーター内部が明るくて大概白く輝いて写るので内部の様子をなかなか見れないのですが、昨夜はこの付近が夜明け後で太陽光線が斜めに差して反射が弱かったようです。
クレータ内壁が階段状に崩れている様子や中央丘が見えています。アリスタルコスの反射率は20%で、これは人肌程度の白さなんだそうです。僕の腕は自転車の日焼けのため黒くて反射率は10%くらいかな。
左の内部が溶岩で埋められているクレーターはヘロドトス(35km)。左上に伸びているへびみたいな谷はシュレーター谷。これらは嵐の大洋の中の溶岩台地の上に形成されています。
ヘロドトスが溶岩で埋められているのにアリスタルコス内には溶岩がありません。これは形成時期の違いらしいです。ヘロドトスが作られたときには台地を形成したマグマが地下に残っていて隕石衝突後に染み出してきてクレーターを埋めましたがアリスタルコスは比較的最近(数億年前)のクレーターですでに地下マグマは固まっていたのでしょう。
| 固定リンク | 0
コメント