惑星のピント合わせ その2
昨晩は宵のうち一時的に雲が薄れて月が見え隠れした時間がありましたがすぐにべた曇りに戻り海王星の衛星トリトンによる恒星食は観測できずでスーパーガッカリ。
話は変わって、拡大率の高い惑星撮影ではピント合わせが難しいものです。
以前は恒星でバーティノフマスクを使ってピントを出してから惑星を導入してヘリコイドフォーカサーの目盛りを一定値回転していたものです。
でも秋から春は日没後の気温変化が大きく1時間も経つと望遠鏡が冷えて収縮し長い焦点距離ではピントがずれていきます。
撮影のたびに上の手順を行っていては効率が悪すぎます。
最近はオートフォーカサーで星像を自動分析してデジタル式にピントを合わせられるようなものも売られているようです。
でも自分の目と手を使ってピント合わせしてから撮影するという手間を楽しむのも趣味のうち。それでうまくいけば自分の力で「撮ったどー!」という喜び(自己満足)も大きい? と思っています。
そこで現在は惑星に対して直接バーティノフマスクを使ってピント出しするようにしています。
とはいえ視直径の大きな惑星では使えないので衛星を利用します。
上の写真は先日、木星の衛星でピント合わせしたときのものです。
対象が暗いので露出を長めにしてGainを上げて露出オーバー状態にしてバーティノフマスクにより表示される干渉ラインの一番内側の明るい3つの光線を利用します。
3つの明るい部分が等間隔になればピントが合っているということになります。
気流が悪いとゆらゆらと変化するし薄雲があったりすると明るさが不足して難しいのですが、そういう時はジャストピントにしてもボケて写るからまあイライラせず適当に。
これは直焦点でピントを合わせたもの。上のバーティノフマスクの画像から時間が経過しているので衛星の配列がちょっと変わっています。
土星でも薄雲がかからなければタイタンでこの手が使えます。
火星や天王星や海王星は木星や土星が見えていればその衛星でピントを合わせてから対象に向けます。
月は極近くの欠け際の輝点を利用しています。
最近の惑星や月はこの方法でピントを合わせています。撮影結果を見ると良いんじゃないでしょうか。
| 固定リンク | 0
コメント